特別ページ マンボウの中身 〜マンボウの体、こんなんになってます〜 このページへ来られた勇気あるみなさん、こんにちは!ようこそおいで下さいました。 やっぱり気になりますよね、マンボウのからだ。 それではお見せしましょう!これがマンボウの体だ!! @まずはマンボウの皮に包丁を入れ、缶詰を開けるように半分ほど開ける。 Aその皮の一部を正方形にくり抜き、そこにワイヤーを入れ、クレーンに引っ掛ける。 Bクレーンで引っ張りながらナタで残りの部分を削いでいく。 そうするとマンボウの体は缶詰のようにぽっかり開いてしまうのだ。 こんな捌き方をする魚が他にいるでしょうか? まさに巨大マンボウならではの捌き方です。
さてお次はマンボウの消化管内容物を見てみましょう。
腸を開いてみると・・・
ドロッとしたたくさんの丸い物体がたくさん出てくる。何だこれは?? よーく見ると、これはクラゲでした。何クラゲかは不明。今、調べてます。このクラゲが何十キロと出てきました。 やはりマンボウはクラゲを食べるのだ。クラゲならどんなに動きが遅くても食べることが出来ますね。 さらに肛門に近くなると今度はこんな物体が・・・。そう寄生虫です。サナダムシのような条虫の仲間だと思われます。見てください、複雑に絡まって腸にぎゅうぎゅうに詰まってます。マンボウ、よくこんな状態で生きていけるなあ。 ちなみにマンボウのからだには約40種類もの寄生虫が寄生しているそうです。 余談ですが、マンボウのエラにはイワシが詰まっていて口の中からはヤリイカが出てきました。しかしこれ等はいずれも未消化であり、定置網の中のイワシとヤリイカが何らかのかたちで口の中に入ったのではないかと考えられます。マンボウは小魚やイカを食べると言われていますがここでは消化管内容物とは判断しませんでした。 さらに、エラの中に何かの魚の尾鰭がピラピラ。「何だこれは?」とグイィィィーっと引っ張ってみるとなんとそれはコバンザメ(全長約30cm)。もちろん生きています。何とこのコバザメ、マンボウのエラの中にくっついて生活していました。普通、コバンザメは大型魚類やクジラなどのからだの外側にくっついてその生物の食べ残りを食べて生活をしているのですが、マンボウのエラの中で生活しているとは思いもしませんでした。一体どこから侵入したのでしょう?・・・どう考えても口からですよね。よくぞ噛まれずに侵入したものです。マンボウもビックリしたでしょう。かなりの違和感を感じてたはず(笑)。呼吸しにくかっただろうなあ。 そして最大の疑問。このコバンザメはマンボウのエラの中で一生を過ごすのでしょうか?出ることは出来るのでしょうか??・・・そう考えるとあのコバンザメはたまたまマンボウの口から入った(それともマンボウが食べた?)のでは?誰かコバンザメに詳しい人、教えてください。コバンザメは魚のからだ中に入ってまで生活をするのでしょうか? 下の写真はマンボウの肝臓。 なぜ白と黄色の2種類あるのでしょう?理由はわかりません。栄養状態の違いでしょうか?味は変わらないと漁師さんは言っていました。 余談ですが、私が7匹調べただけなのですが、黄色の肝臓を持っているのは全て雌、白の肝臓をもっているのは全て雄でした。これは偶然??それとも雌雄で肝臓の色に違いがあるのでしょうか? 今後も調べる必要がありますね。 それではお次。 左の写真が巨大マンボウの身。 氷も入っていますがコンテナいっぱいに。 漁師さん曰く、「でかいマンボウよりも小さなマンボウの身の方が美味いよ。」とのこと。 しかし、マンボウ自体にそんなに味がないので一体どう違うのだろうと思って食べ比べて見ましたが分かりませんでした。やっぱり食べなれてないと分からないのかもね。 まあ、味はともかく立派な筋肉をしていましたよ。あの巨大な背鰭と尻鰭を動かすのだから。 マンボウの筋肉は主にからだの後部にあり、その筋肉は背鰭と尻鰭を動かすためだけに存在していると言っても過言ではありません。それほど立派で素晴らしいものでした。 それだけに疑問が。クラゲであんなにパワーがつくのかなあ?さて最後はマンボウの卵巣。
今回獲れた巨大マンボウも雌でした。そしてまた卵巣を持っていました。 前回獲れた巨大マンボウも雌で卵巣をもっており、卵巣重量は約3kg! 今回の巨大マンボウもそのくらいの大きさの卵巣でした。 中は卵がぎっしり!! それに比べて1mサイズのマンボウの卵巣は下の写真の通り。手のひらにちょこんと乗るくらいのものです。 何でまたこんなに大きさが違うものなのでしょう? 体サイズの違い、栄養状態の違い、などなど理由は色々考えられますがこうして比べると面白いですね。 ちなみにマンボウはヤリマンボウやクサビフグの幼魚が北緯14度から28度、東経142度から西経147度の中央水域の静止帯(だいたいハワイ諸島沖から東南アジアくらいまでの海域です)で採集されていることから、北部太平洋ではこの海域にマンボウ科魚類の産卵場が存在するものと推察されています。 この推察が正しく、マンボウがその回遊経路を海流に依存しているのであればこの宮城県沖で獲れたマンボウは黒潮→カリフォルニア海流→北赤道海流からなる北太平洋還流を移動し、この中央水域で産卵することになります。 こんなに大きな卵巣を持っていても産卵をするまではまだまだ長い旅をしなければなりません。逆に1mサイズのマンボウの卵巣はまだまだ大きくなるかもしれませんね。 よくマンボウは3億個の卵を産むと言われていますが、そのマンボウのサイズは1m強です。この小さな卵巣に3億個の卵が入っているのか?それともまだまだ大きくなって卵も増えていくのでしょうか?? 謎ですね。 さ、それではそろそろ本編に戻りましょう。 まだまだマンボウは登場しますよ! |