8月10日(火)

午前1時、起床。

Sさんの家から女川町の漁港まで約1時間かかります。

集合は3時ですが、朝ご飯を買ったり、迷うかもしれないことを考えると早めに出発しなければ。

山道を走り続けること1時間。

ようやく女川港に到着しました。

街はまだ真っ暗でしたが、一発でそれと分かる船の光。

すぐに今日お世話になる「龍丸」を発見しました。

久しぶりだなあ、漁師さんは私のことを覚えてくれているだろうか?

「おはようございますー!!」
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強烈な光を放つ漁船

「船長さんはいらっしゃいますか?」

「もうすぐ来るぞ・・・ん?お前は見たことがあるなぁ。」

「お久しぶりです、私は2年前にもこの船に乗せていただいてマンボウの調査をしました。」

「ああ、あの船酔いして吐きよった奴か(笑)

わはははは(ヤケクソ)、そうです、あの船酔いして役に立たなかった奴です。また来ました。」

あー、よかった。覚えててくれて(涙)

意外にもたくさんの漁師さんが覚えててくれてました。嬉しかったです。

そして今回は3人とも酔い止めを飲んでいるので船酔いすることはないでしょう。

そんな会話をしているうちに出港に時間がやってきました。さあ、マンボウを求めて出発!!

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シンイチと漁師さん

隣の漁船

網を手繰る漁師さん

夜中の海は涼しい。東北だからでしょうか?月を見ながら風を切って進むこと数十分。

最初の定置網に到着です。さあ、この中にあの巨大マンボウがいるのでしょうか。もうドキドキしっぱなし。

「今年はどうですか?マンボウたくさん獲れてますか?」と漁師さんに尋ねると、

「今年は少ない。お前が来た二年間の半分くらいだ。今年は潮が接岸してないからなあ。」

「そうですか、じゃあ巨大マンボウも当然少ないのですね。」

「そうだなあ、少ないなあ。」

なんと!!今年はマンボウの漁獲量が私が二年前来た時の半分!?たった二日しかチャンスがない上に漁獲量が半分。

これでは普通サイズ(1m前後)のマンボウに出会うことさえ難しいのでは・・・。

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網を手繰る漁師さん。この中にマンボウが・・!?

そんな不安を抱いている間にも作業は進みます。

二隻の船で魚の集まる袋網を手繰ります。この作業を続けること数十分。

mola22.jpg あの背鰭はまさか・・・

イワシやサバ、イカやシイラの中に混じって見たことのある魚影が・・・。

そう、マンボウです!

網の中には2匹のマンボウがいました。

小さいながらも(それでも1mありました)結構重いので、

クレーンで船の上まであげます。

その二匹のマンボウが右の写真です。

日本周辺で見られるマンボウはほとんどがこのくらいのサイズ。

ごく稀に30cmくらいの小型サイズや2m〜3m以上にもなる大型サイズのマンボウが見られます。

もちろん私達は大型サイズのマンボウのサンプリングに来たのでちょいと残念。

次の網に期待しましょう!
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クレーンで吊り下げられるマンボウ

この網で獲れた二匹のマンボウ

というわけで次の網へ向けて船は進む・・・。

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風強いーーーーーーーーー!!
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もらった缶コーヒーで一息(ホッ)

進むこと数十分。

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2つめの定置網へ到着しました。

さあ、この網の中には巨大マンボウがいるでしょうか?

しかし・・・

網の中のどこを探してみても・・・

マンボウは・・・見当たりませんでした。

残念。。。

今年のマンボウの漁獲量が少ないことが良く分かりました。

前回は一回目の乗船で1mクラスのマンボウは10匹以上獲れたし、大型マンボウも2匹獲れたのに今回の乗船では1mクラスのマンボウが2匹のみ。

この調子では明日の最後の乗船でも大型マンボウは期待出来ないのでは・・・。

不安になってきました。

まあまだチャンスはある!!

私の「マンボウ運」が伊達じゃないことを見せてやるのだ!!(誰に?)

と思いつつ気持ちを切り替えました。

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海から見る朝日

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マンボウいるかなあ〜?

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イワシを漁船に積む風景

荷物の片づけをしていると、漁師さんが「一緒に朝ごはんを食べんか?」

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漁師さん達と一緒に

漁師さん達の朝ご飯

シイラの卵巣、刺身、イサキの味噌汁、

マンボウの刺身(手前)

と誘ってくださいました。返事はもちろん

元気良く「はい!いただきます!」

だってお腹空いてるし、美味しそうなんだ

もん(空腹)。

これらがまた美味いの何の!!

シイラの刺身とイサキの味噌汁でご飯が進

む、進む。卵巣の醤油漬けも絶品でした。
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マンボウの身です

マンボウを食べるマンボウ

そしてマンボウの刺身!久しぶりに食べたけどやっぱりあんまり味しない(笑)

でもこの淡白さが飽きなくてたくさん食べれるという感じです。

これで今日の仕事は終了。

早速、宿に帰って・・・寝る。(二日目はSさんが安い宿を探してくれました。何から何まで本当にありがとうございます!!)

午後二時過ぎ(くらい)、寝ていた私たちに突如地震が!!

グラグラグラグラ・・・・

ハッ!と目覚めた私!!しばらく地震が続き、私もしばし立ち尽くす・・・。

そんな中、寝続けるシンイチ。こいつは鈍感なのか!?

地震がおさまり、ホッとしてシンイチを起こす。

「おい、こら、今地震があったぞ!!起きろ!」

「揺らさないで下さいよ、マンボウさん(怒)」

こいつ、地震が起きて宿が揺れてる間、ずっと私が揺らしていたと思っていたらしい・・・

なんという危機感のない奴・・・(笑)

そんなんじゃ早死にするぞー!

午後三時、これまた去年お世話になった東北大学の付属複合生態フィールド教育研究センター(やっぱり長い)のK先生に会いに行く。

先生にこれまでの研究結果を報告し、色々アドバイスをもらいました。

先生が「このマンボウの研究は面白いよ。私も興味を持った。頑張って続けて下さい。」と言ってくれました。

それを聞いて私とヨシタは自信を持つ!先生、どうもありがとうございました!!

そして午後七時、晩御飯の時間だ。

またも須田さんにご馳走になる。Sさんのお姉さんが小料理屋をやっていてそこに連れて行っていただきました。

そして私達はここで初めてマンボウの腸の料理を食べることになる!

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マンボウの腸料理

近海の刺身盛り合わせ

天ぷら定食

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マンボウの腸の料理は見た目はイカの

ようでした。

しかし、噛んだ感触は・・・不思議。

イカではありません。

もっと柔らかくて・・・

例えようのない・・・そう、やはりマンボウ

独特の感触。

天丼

毛がに

そして・・・何より美味しい!!!

マンボウは身よりも腸の方が値段が高いのです。

それも分かる気がします。

これはホントに美味しいぞ!!

その他にも刺身(クジラ、サバ、カツオ、イワシ、アジ)、天ぷら、毛がにと海の幸いっぱい!

特に刺身は絶品(うっとり・・・)。

魚、特に刺身大好きの私にとっては至福の一時でした。

こんなに美味い刺身を食べたのは初めてかも。

美味い魚が獲れる港の側の料理屋さんは要チェックです!

Sさん、お姉さん、美味しい料理をありがとうございました!!

またお会いするときを楽しみにしています!

本当にどうもありがとうございました(涙)

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お店の中で一枚。しかし美味しかったなあ。。。

さあ、美味しい料理をご馳走になって今日は就寝。

明日はマンボウ調査最終日。

いいこと起こりそうな予感を感じながらオヤスミ・・・。

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