8月7日〜石巻漁港に行く〜

 午前10時、今日も車の中で寝てたんで腰が痛い。そういえば目的地に着いたんだった。あまりの疲れに喜ぶのを忘れてた。まあ、喜んでる暇もなく、今日は宮城水試の永木さんとお会いする約束をしてたんだった。水試の近くで寝てたんで運転すること3分、水試に到着。さっそくナガキさんとご対面。「ようこそ、石巻へ」「海がとてもキレイですね。」みたいな話をしながら本題のマンボウの話へ。今、石巻港でマンボウはよく水揚げされてるとのこと。「お、予想通り」と心でつぶやきながら一人でニコニコ。しかし、揚がるのはマンボウの身のみ。「ちぇ、やっぱりか」まあ、これも予想通り。これでは目的のマンボウのヒレはGETできない。別に身でDNAがとれないわけではないのですが、やはり大きさを測りたいし何を食べてるか消化管内容物も見たい。「やはり漁船に乗せてもらうしかないなあ、でも乗せてくれるものなんだろうか・・・?」と思いながら話を聞いていました。と、そこでナガキさんが「これがマンボウの獲れる漁船の名前です。」とマンボウの漁獲量と漁船の名前の書かれた紙を一枚私にくれました。なんと親切な方!お忙しい中ここまで調べていてくれたとは!!「どうもありがとうございます!!!」とその紙を手に石巻漁港へ。

 午後0時半、もちろん市場は閑散としていました。しかし、なんとまあとにかくこの漁港は長い!!あとで聞いたのですが、この漁港の長さはちょっと前まで東洋一だったらしい。船着場には番号があるのですがこれが1番から30番以上ある。そこに入れ替わり立ち代わり漁船が入ってくるのです。一体マンボウの獲れる漁船が入る場所はどこだろう?とりあえず事務局に行くことにしました。そこで会ったのが西村さんという方。「マンボウが獲れるのは定置網漁船だから7番と8番だな。おれもそこで働いてるから朝の7時頃来い」「ラ・ラッキー!!」たまたま話をした西村さんがちょうどマンボウの獲れる漁船の所で働いているなんて。これで行きやすくなる!と思いながら漁港をあとへ。

 午後1時半、漁港をあとにした私は近所のスーパーへ。目的はやはりマンボウ。そう、漁港に水揚げされるんだからスーパーに行けば売ってるはずと思ったのです。スーパーに到着後、おもむろに鮮魚コーナーへ。「あった、あった!!やっぱりあるんだなあ・・・。」そこにはマンボウの身とマンボウの腸が別々に売っていました。これがまあけっこう安いんだよね。私も以前食べたことはあるんですがあんまり味はしない。まあ色々食べ方があるんでなんとも言えないんですけど。ちなみに身は100gあたり68円、腸(コワタ)は100gあたり88円で身よりちょい高め。しかしこれが春先になるともっと値が上がるそうです。

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これが石巻漁港。本当に広い。

上が身で下がコワタ(腸)。それぞれ260円と274円でした。

 午後2時、さあどうしよう・・・。泊まるあてがないんです。仙台にいる研究室のOBの方の電話番号を教えていただいたのですが、仙台からは遠すぎる!二時間もかかるんです。そこで研究室の先生に電話をすると「女川(おながわ)に東北大学の実験所があるからいってみんさい。泊めてくれると思うよ。」女川は隣町、さっそく行ってみることに。

 午後2時半、実験所に到着。「K先生いらっしゃいますか?」「私がKだけど」「あの、広島から来た・・・」とさっそく事情を説明。「泊めていただけませんか?」「今、高校生の実習でいっぱいなんだよ・・・うーん、よし!うちに泊まりな!!」「えっ?」あとで聞くとただ今単身赴任で近くの家を借りているのですが実験所に泊まっているので使ってないとのこと。「あー、これで車で寝なくてすむ・・・K先生ありがとうございます。」と思いながら昼寝。そのまま五日目終了。


8月8日〜マンボウの肝臓の大きさにビビる〜

 午前6時、起床。さっそく魚市場へ直行。朝の魚市場はすごい活気!!トラックやらフォークリフトがそこら中を走り回っている。邪魔にならないようにクーラーボックスをかついでとりあえず西村さんを探すことに。「おっ、発見!!」しかしお仕事中なので話しかけられない。そうしてるうちに魚がバンバン揚がるのでそれを見てみることに・・・。サバ、トビウオ、カツオ、チダイ、イワシ、タチウオ、ホンマグロまでとにかく色んな種類の魚がたくさん!!とその中に青い1トン箱に見覚えのある白い身が・・・「うおっ!でた!!マンボウ!!!」その後もどんどん運ばれてくる。結局、身と腸と肝臓合わせて5箱。身と腸は他の個体の身と混ざって箱の中に入れてあるので個体の大きさはイメージできない。しかし肝臓は一個体につき一つだし、当然大きい固体ほど肝臓も大きいのでだいたい大きさが想像つく。その中の一つがとび抜けてデカい!!まあ、これをごらんあれ。

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左が身で右が腸。一体何個体分だろう?

なんて大きさ。足と比べたら大きさがわかるでしょう?

重さにして20〜30kgはあるだろう代物。ヒレではないけどDNAはとれるので頂いて帰ることに。というわけでさっそく仕事開始。許可をもらって肝臓の一部をいただき、それをサンプル管の中に入れ、アルコールにつけて保存。こんなやつ(私のことね)がいるのが珍しかったのか色々な人が話しかけてくれました。そしてこのマンボウが獲れた船の船長さんを紹介してくれることに。「おーい、Yさん。この学生さんが船に乗りたいんだとよ。乗っげでやっでくんねーか?」「どうも、広島から来た○○です。どうしても現場でマンボウが見たいんで乗せてくれませんか?お願いします!」「あー、ええよ。じゃあ明日の3時半に鮎川港にごい。」やった!!なんとも簡単に交渉成立。宮城の漁師さんはなんて気さくなんだ、あああ、どうもありがとうございます!!と感謝しながらいつの間にか今日の作業は終了。

 午後7時、昼寝から目が覚めてちょっとK先生に会いに実験所へ。すると先生が「焼き鳥食いに行かん?」と一言。「行きます!!!」。最近まともな物を口にしていない私にはねがってもないチャンス。他に東北大の院生の方二人を含む四人で焼き鳥を食べに行きました。「あー、うまい。」色々話をしながら10時頃帰宅。明日、マンボウ獲れるかなあ?と楽しみにしながら六日目終了。明日大変なことになるとも知らずに。


8月9日〜海をなめてました:前編〜

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定置網のロープを巻き取り、網を絞る作業です。カメラをのぞくともう気分が・・・うう・・・。

午前2時半、起床。急がねば!3時半までに鮎川港に行くんだった。漁船に乗るにもかかわらず普段着に靴。はっきり言ってもうこの地点でゲームオーバー

 午前3時半、なんとかギリギリ到着。実験所から鮎川港までの道にコバルトラインという道があるのですがこれが険しすぎ。予定より20分も遅れました。まあ、でもなんとか間に合ってついに出発!!

 午前4時、船はたんたんと進む。船に乗ってる人は15人ぐらい。私より年下のような人から60歳をすぎてるような人まで様々。「風が気持ちいいなあ」と思いながら進むこと約10分。だんだん気分が・・・悪・・く・な・・・って・・き・て・・・。ヴッ!!吐きそう・・。さらに進むこと?分。もう覚えていません。しかし船は進み定置網に到着。いつの間にか船は5〜6隻(あんま覚えてないんです)。作業はどんどん進む。私は気力を振り絞って起き上がり写真を撮影。

作業すること(たぶん)20分。(たぶん)魚が水面に浮いてきて、(たぶん)海鳥が飛んできて、(たぶん)漁師さん達が魚を網で獲っていました。そんな意識朦朧(もうろう)の中、酔いを吹き飛ばすような出来事が・・・。「おーい、マンボウが揚がったぞ」「ほんまに?」慌てて網の中をのぞく。「あっ!!いた!!」待ちに待ったマンボウ第1号!!!

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こいつが第1号。ちょいと小さめです。全長は97cmでした。

酔いは吹き飛び作業開始。持ってきた包丁で舵ビレ(体の一番後ろにあるヒレのことね)の一部をカット。サンプル管に入れ、保存。そんなことしてる間に「大ぎいの揚がっだぞー」と漁師さんが。急いで網をのぞいてみると、なんと・・・こんな大きいのがいるん??????

どんなマンボウか気になる方は今すぐGO!!もういいやと思う方は来月GO!!!

また今度 今すぐ次へ