みなさん、こんにちわ。今回はヤリマンボウの成長について少し見てみましょう。 この卵巣は三重県尾鷲市で獲れたヤリマンボウの卵巣です(100%アルコールで固定しています)。下の写真にも出てきますが、本体の全長は1060mm(106cm)です。卵巣重量は39.6gでした。卵巣が破けて卵のかたまりが飛び出ています飛び出た卵の塊をほぐすと一粒一粒の卵を見ることが出来ます。今回、大きさは測定していませんが1mm以下であることは間違いありません。写真も撮ったのですがうまく撮れておれず、みなさんにお見せ出来るほどのものではありませんでした。また機会があればチャレンジしてみようと思います。ちなみに全長4フィート6インチ(約137cm)のマンボウで卵を3億個持っているそうです。このヤリマンボウは全長約106cm。ヤリマンボウもそれに近いくらいの卵がこの卵巣の中に入っているのでしょうか?
分類のコーナーでも述べましたが、ヤリマンボウに属にはヤリマンボウとトンガリヤリマンボウの2種が存在します(この2種を同じ種だと考えている研究者もいるようですが)。Fraser-Brunner,1951のマンボウの絵を比べる限り、Fの写真はトンガリヤリマンボウ、Gの写真はヤリマンボウと思われます。もしもこのFとGが同じ種であるとすれば、成長するにつれ舵鰭が伸びるということになりますね。しかしこのFとGのヤリマンボウ、細部の形態が結構違うのです(詳細はコチラで)。雌雄で形態が違うこともあるかもしれませんが、私は同じ種とは思えません。マンボウよりも発見しにくいヤリマンボウ、この魚の謎が解けるまでにはまだまだ時間がかかるかもしれません。 しかし、卵から2mのヤリマンボウの写真をここまで細かく集めることが出来たのは奇跡に近いです(ヤリマンボウとトンガリヤリマンボウが混ざっているかもしれませんが)。これもサンプルや写真を提供して下さった皆様のおかげです。本当にどうもありがとうございました。 参考文献:日本産稚魚図鑑 沖山宗雄編 |